こんにちは、「借金1億円をFXで完済する記録」の運営者です。この記事では、私が現在実践しているゴールド(XAU/USD)CFDのデイトレード戦略について、その判断基準や具体的な手順を詳しく解説します。
この戦略は「どうすれば大勝ちできるか」ではなく、「どうすれば致命的な損失を避け、相場で長く生き残れるか」を最優先に設計しています。手法そのものは非常にシンプルですが、その根幹にあるのはテクニックよりも規律と心理的コントロールです。
この戦略の核心:3つの大原則
全てのトレード判断は、以下の3つの大原則に絶対的に従います。これがこの戦略の心臓部です。
- 1. 待つ技術
自分が分析し、最も勝率が高いと判断できるエントリー局面(セットアップ)が訪れるまで、決してエントリーしません。チャンスは毎日あるわけではなく、「何もしない」ことが最善の選択である日も多いと心に刻んでいます。 - 2. リベンジトレードの絶対禁止
一度の損失は、トレードというビジネスにおける必要経費として機械的に処理します。感情的になって損失を取り返そうとする行為は、さらなる損失を生む最大の原因であるため、固く禁じています。 - 3. 1日1敗ルール(One Strike, You’re Out)
その日の最初のトレードで損失(損切り)になった場合、ただちにその日の取引を終了します。これにより、冷静さを欠いた状態での無謀な連敗を防ぎ、貴重な資金と健全な精神を守ります。
戦略の全体像:5ステップ・フレームワーク
毎日のトレードは、以下の5つのステップを順番に実行する、という流れ作業で構成されています。
ステップ | ステップ名称 | 目的と具体的な行動 |
Step 1 | 環境認識 | 今日の相場が自分が戦うべき場所かを見極める。 |
Step 2 | シナリオ構築 | どちらの方向に、どの価格帯で仕掛けるかの戦闘計画を立てる。 |
Step 3 | エントリー実行 | 計画通り、最高のタイミングで引き金を引く。 |
Step 4 | リスク・資金管理 | 損失を限定し、利益を確保するルールを機械的に実行する。 |
Step 5 | 心理的規律の実行 | 上記の全ての行動を支える、精神的なルールを遵守する。 |
各ステップの詳細解説
Step 1: 環境認識(森を見る)
- 取引対象:ゴールド (XAU/USD) CFDのみ。対象を絞ることで、その値動きのクセに習熟します。
- 取引時間:デイトレード。日をまたいでポジションを持ち越すことはありません。
- 主たる分析時間足:4時間足。デイトレードの軸として、日中の細かいノイズに惑わされにくく、かつ1日のトレード計画を立てるのに最適な時間足だと判断しています。
- 分析手法:水平線によるトレンド判断。4時間足チャートに、意識されている高値と安値(何度も価格が反発している場所)に水平線を引きます。そして、高値と安値が共に切り上がっていれば「上昇トレンド」、共に切り下がっていれば「下降トレンド」、明確な方向性がなく水平線の間で上下している場合は「レンジ相場」と判断します。この戦略ではレンジ相場では取引を見送ります。
Step 2: シナリオ構築(戦闘計画)
- 基本戦術:順張り(トレンドフォロー)に徹します。相場の大きな流れに乗る方が、逆張りよりも優位性が高いと考えているためです。
- 方向性の決定:Step1で判断した4時間足のトレンド方向にしかエントリーしません。
- 上昇トレンドなら「押し目買い」(上昇中の一時的な下落で買う)のみを狙います。
- 下降トレンドなら「戻り売り」(下降中の一時的な上昇で売る)のみを狙います。
- エントリーゾーンの特定:波の「半値(50%)戻し」を最重要エリアとして待ち構えます。具体的には、フィボナッチ・リトレースメントというツールを使い、トレンドの起点から直近の高値(または安値)までを結び、表示される「50%」のラインをエントリー候補エリアとします。多くの市場参加者が意識するこの価格帯まで引き付けることで、有利な価格で仕掛けます。
Step 3: エントリー実行(引き金を引く)
Step2で定めたエリアに価格が到達しても、すぐにはエントリーしません。以下の2つの条件が揃うのを待ちます。
- 価格が、想定した半値戻しエリアに到達する。
- そのエリアで、反転を示唆する明確なプライスアクション(ローソク足の形)が出現する。例えば、押し目買いを狙っているなら、長い下ヒゲを持つ「ピンバー」や、前の陰線を完全に包み込む「つつみ足(陽線)」の出現を待ちます。これは、その価格帯で強い買い支えが入ったことの証明となります。
上記2点が揃って初めてエントリーを実行します。少しでも迷いや疑問があれば、そのチャンスは見送ります。
Step 4: リスク・資金管理(命綱)
- 損切り設定:エントリーと同時に必ず損切り注文を入れます。損切り位置は、エントリーの根拠となったプライスアクション(ピンバーなど)の少し外側に置きます。
- 損失許容額:1回のトレードの最大損失額は、総資金の3%に固定します。例えば資金100万円なら、1回の損失は3万円までです。この3万円という損失額から逆算して、損切りまでの値幅に応じたロットサイズを毎回調整します。これにより、どんなトレードでも損失額が常に一定に保たれます。
- 利食い設定:損切り幅(リスク)に対して、最低でも1倍以上の利益(リワード)が見込めるポイントを目標とします(リスクリワードレシオ 1:1以上)。例えば損切り幅が$10なら、利食い目標は最低でも$10以上の場所に設定します。ただし、目標到達前に相場の勢いがなくなったと判断した場合は、欲張らずに裁量で決済することもあります。
Step 5: 心理的規律(最強の武器)
この最後のステップが、最も重要です。それは、これまで述べてきたStep1からStep4までの全てのルールを、いかなる時も、いかなる感情の状態でも、例外なく遵守するということです。
特に、損失を出した後の行動は、この戦略の成否を分ける最重要項目だと位置づけています。冒頭の「3つの大原則」に立ち返り、常に冷静な判断を保つことが、この戦略の全てです。
結論:この戦略の本質
この戦略は、「派手な一発勝利を狙うのではなく、規律によって凡ミスによる敗北を徹底的に排除し、統計的に優位な局面だけで勝負を繰り返すことで、長期的に資産を築き上げる」という、極めて地味なプロフェッショナル的アプローチです。
手法そのものはシンプルですが、その真価は「待つ」「やめる」「ルールを守る」といった自己を律する行動を、感情に左右されずに実行できるかどうかにかかっています。この規律こそが、一過性の利益ではない、継続可能な成功をもたらす唯一の道だと私は信じています。
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